情報を伝えるための表現について

情報を伝えるためには、情報の中の関係性を見い出し人間の感覚、認知のしくみを考えていく必要もあります。
今回は、それらを踏まえ情報を伝える表現についてのお話です。
情報の表現と心理
情報を効果的に伝える表現には、素材になるコンテンツや技術の背景に人の心理や認知に訴える理由があり、それを前提に成立していたりします。
情報をデザインする際、見かけ上の美しさやインパクトだけでは、情報の受け手に混乱が生じることもあります。
人の感覚や認知心理の特性を理解し、適切な表現を選択すればデザインの複雑さを減らすことができ、記憶のしやすさ、面白みをつくることなどができます。
その結果、受け手にとって、わかりやすいデザインをつくることに繋がったりします。
色彩と心理
人間の視覚は、基本的に色と明るさから成り立っており、物体自体に色があるわけでなく、物体に吸収・反射する光で色が決まってきます。
色と明るさは、人の目を通して入ってきた光に対して、脳が認識してはじめて生まれる主観的な経験になります。
そのため、色は見る側の環境や条件によって変わってくることがあるので一定ではありません。
その色が持つ心理的特性は、有効に活用され、住環境の配色や交通標識の安全色※などさまざまな場面で利用されています。
- ※ JIS(日本工業規格)によって事故、健康への危険防止を目的として規定された色になります。
規定された色は全部で8色(赤、黄赤、黄、緑、青、赤紫、白、黒)、安全標識や公共の案内標識などで使われています。
色の三属性
色彩、明度、彩度は色を決めるための3つの属性です。
また、色の変化を系統的に表したものには、マンセル表色系※があります。
マンセル表色系は、アメリカの画家、アルバード・マンセルによってつくりだされた色を表現する方式の一つです。
これは色の3属性である色相、明度、彩度をもとに、それぞれ番号や記号で分類された色票を使い、物体の色と色票とを見比べて色を表現します。
その一例が下図になります。
- 色相
- 青や赤というような色味の属性のこと
- 明度
- 色の明るさの度合いを表したもの
- 彩度
- 色の鮮やかさの度合い
色彩の心理的効果
色彩は、暖色、寒色と呼ばれるものがあります。
暖色は赤、黄などのように暖かそうな色になり、寒色は青、青紫などの冷たさを感じさせる色になります。
そして、温度だけなく「優しさ暖かみ」や「理知的でクール」などの感情的なものも表したりします。
また、進出、後退のように距離感覚にも影響を与える色もあります。
例えば下図をしばらく見ると、右の方が色が遠くに見え、左の方が近く見えたりします。
(個人差があると思いますがご了承ください…)
これは、暖色系の色は膨張や近くに感じ、寒色系の色は収縮や遠くに感じ、それぞれを進出色、後退色とも言われたりします。
形態と心理
視覚表現の構成要素の一つである形態にも、心理的なメッセージが存在します。
バラバラな部分がまとまって、図として認識する要因や反転図形、視知覚の錯覚である錯視図形などは認知の心理の問題が大きく影響しています。
まとまりの要因
星座のように、いくつかの星がまとまって形として認識できる場合があります。
このまとまりは『それ以上バラバラにすると、意味をなさない一塊として扱うべきものように』とするゲシュタルト心理学※の考えの一つと考えられます。
- ※ドイツの心理学者であるヴェルトハイマーやケーラー、コフカ、レビンらのベルリン学派が提唱した心理学。
図と地
画面上を構成する要素においては、主体が図であり、背景が地となります。
その関係があいまいな場合は、誤って認知される場合があります。
下の図はその一例になります。
以上から色や形の表現が人に対して少なからず影響していきますので、サイトのデザインをする際は、上記のことを踏まえていく必要があります。
あっちゃんが書きました。

左図はマンセル色相環になり、基本色のR(赤)、Y(黄)、G(緑)、B(青)、P(紫)、の5色からさらに
中間色YR(黄赤)、GY(緑黄)、BG(青緑)、PB(紫青)、RP(赤紫)、を加え等間隔に配置したものなります。


今日のひとこと:年賀状かかねば…